親子三人、グァテマラに住む |
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Xelaでの暮らし |
日々の生活2アパートでの生活
2007年6月の始めからアパートに移り住んで、いよいよ全ての家事を自分達で こなす自立した生活に入った。 台所は右の写真の様な感じで、豊かな国のシステムキッチンというやつに慣れ てしまっている人にとってはみすぼらしく感じるだろうが、普通に3食自炊し ていくのに困るものではない。巨大な水タンクがあるが、グァテマラでは飲料 水は買わなければならず、週に一回くらい20キロの水タンクを近所の店から私 が担いで来ている。 朝食と昼食の準備は私の担当になっているのだが、Akeが前夜に料理した残り ものに頼っている場合が多いので、それほどたくさんは料理していない。 朝食はパン、ホットケーキ、コーンフレークといったものを主食に、ちょっと した野菜や果物、昼食は買ってきたトルティーヤを主食に、豆、野菜、果物と いう感じの場合が多い。 私は午前中にQPを学校につれていった後、QPの学校の近くの大きなマーケット に寄って帰ることができるので、食品の買い物の多くを担当している。買い物 も慣れてくると、かなり効率よくできるようになってくるが、ちょっとでも安 くしてくれる売り手(マーケットの中の大半は店ではなくて、路上に並べて売っ ている個人)を探していたりすると多少時間がかかってしまう。そんなことに 時間を使うのは、日本やUSでの収入を考えるとばからしいことなのだが、グァ テマラに来た以上、グァテマラ人の感覚を身につけて生きなくては、と思うの でがんばってQ1(15円)レベルの節約を心がけるようにしている。 昼食の準備を何もする必要がなければ、買い物から帰ってからQPを迎えにいく までの2時間程度が自分の時間になる。この時間と、朝の6時半以前の早起きし て作る時間だけが完全に自分の自由時間で、PLQの先生に出された宿題に手間 取ったりしたら、ほとんど何もする時間がなくなってしまう。 午後になって、AkeがPLQから帰ってくると、急いで昼食をすませて、今度は 私がPLQに行く。午後は、QPが家にいるので、AkeはQP の勉強を見てやりなが ら、夕食の準備をしたりで、ほとんど自分の事はできないようだ。PLQの女性 の先生の多くから、このシフトはフェアーでないから一度変えて、PLQで勉強 するのを、私が午前、Akeが午後、という風にしたらどうかと言われているが、 一度慣れるとなかなか変えにくいもので今のところ変更の予定は立てていない。 Xelaの雨期の天気は、基本的には午前中が晴れで午後が雨というパターンなの だが、基本はあくまで基本で変則的になる時も多々あり、そしてその変化が非 常に予測しにくい。雨具をいつも持ち歩くようにしているので、外出などは問 題ないが、困るのは洗濯である。
スペイン語学校のその後2ヶ月近くいると、PLQではだんだん古株になってきて、多くの先生とも顔見 知りになってきた。大多数の生徒は、学校の休みを利用してとか、職場で休暇 をとって、というような事情で来ているから、私達の様に長期滞在できる人は 少なく、2ヶ月で古株という状況になるのも自然の成行きである。 PLQの先生の90%以上は女性なのだが、離婚歴有りの人が大変多く、みな一様 にグァテマラのマチスモのひどさを指摘する。スペイン語の先生になれるよう な能力のある女性は、自立できるがゆえに自然と離婚率が高くなるのであろう ということは容易に想像がつくが、それにしてもその割合が高すぎるようなの は、きっとマチスモのひどさに耐えかねて離婚した女性のネットワークで仕事 の紹介があったのではないかと私は推測する。 文法の勉強は一通り終わったので、最近は会話の練習も兼ねて先生と雑談をす ることが多い。文法を一通り終えて、そこからどうやって流暢に話せるように 持っていくのかという点は、語学教育者達の腕の見せ所だと思うのだが、あま りそこのところに関して特別な方法論は持っていないようで、それぞれの先生 が適当に何か題材を探して会話の練習をするという感じになっている。 大統領選挙が近いせいもあり、政治の話はいろいろする。PLQで働く人の多く はURNGという元ゲリラの人達が作った政党の支持者のようである。コンファレ ンスで政治の話をしにきてくれる人はURNGの人だったりするところを見ると、 PLQは公然とした支持団体に近い存在かもしれない。しかし、URNGは1%程度し か得票できない弱小政党で政権からほど遠い存在のようだ。 URNGも含めて大統領選挙をめぐるグァテマラの政治状況は項を改めてそのうち 書こうとは思っているのだが、全貌を把握してから書こうと思っているとなか なか進みそうもない。ノーベル平和賞受賞者でインディヘナの女性、リゴベル タ・メンチュが大統領に立候補している事は、日本でも知っている人は多いか もしれない。「インディヘナの女性が大統領選挙に立候補しているという、単 にその事実だけでも大きな意味がある」という事は誰もが認めている。「、が しかし」とURNG関係者は続けなければいけない状況がいろいろあり、私もその 話を聞いているとリゴベルタ・メンチュを統一して押すという状況にはなれそ うもないというのは理解できる。7月末段階の世論調査ではリゴベルタ・メン チュの政党は3%近くの支持を集めていて第四位の位置にいる。 リゴベルタ・メンチュは世界的に名前が売れているが、グァテマラでは彼女の お父さんほど尊敬されている存在ではない。政治的立場がしっかりしてない段 階で有名になりすぎて、回りの状況に翻弄されて、そのまま政治的立場があや ふやなままで政治活動をしているような気がする。その知名度だけは利用でき ると思っている海千山千の政治家がたくせんいる中で、それでは実際に利用さ れる存在になりかねない。と言うか、すでになってしまているようである。 元軍人を大統領候補に出している、PP(愛国党というような気持ち悪い名前の 略)という政党が世論調査で第二位の位置にいるのだが、PLQの先生達はこの 政党が延びるのを大変恐れている。なにしろ、選挙で選ばれた軍事政権の様な ものができかねないわけで、軍が力を持つことが何を意味するかは、過去の悲 惨な内戦を振り返れば明らかである。しかし、最近のひどい犯罪率をどうやっ て下げるか、そこに軍も使うべきだというPPの主張は、犯罪に悩まされている 人達にとっては、ある種の光のように見えるようで、特に現政権が犯罪を抑え ることに関してほとんどギブアップ状態という中では、何かしてくれそうな期 待感が人々の間に出てくる。そういうわけで、この政党の支持率はぐんぐん上 昇中である。PLQの先生の中には、「PPは裏で犯罪を操って現在の犯罪率の上 昇を意図的に作って、自分達への支持を集めようとしている」という人もいる。 「うーん、そこまでやるのか」と半信半疑になるが、ありえない話でもなさそ うだ。私は、そんな陰謀めいたことが本当にあるなら、その影でUSの政府組織 が手を貸しているに違いないとさらに深い陰謀説を取りたくなる。PPは金も持っ ているようで、テレビやラジオにたくさん広告を流している。「Mano Dura - 強い手(犯罪を叩く強い手、と言いたい)」というこの政党のスローガンは、 やたらめったら聞かされる。 グァテマラ滞在許可の更新日本人を含めて多くの金持ち国の人達は、グァテマラに入る時に特別なビザは なしで、90日間の滞在許可をもらえる。90日は、旅行するにはありあまる日数 だが住むにはとても短い。 この90日がすぎる前に首都のグァテマラシティ(グァテマラ国内ではこの首都 を意味する単にグァテマラと言うことが多い)に行ってさらに3ヶ月滞在でき る滞在許可の延長をしてもらうか、72時間以上国外に出るか、どちらかを実行 しないと不法滞在になってしまう。Xelaからはグァテマラシティよりメキシコ 国境の方が近いので、私達と同じような状況の外国人はメキシコに行く人が多 いようで、それも若干の賄賂で正式には72時間以上国外に出なければいけない のを、即座に再入国させてもらえるようで、その手を使えば日帰りで滞在許可 の更新は出来てしまう。メキシコに3泊することを考えると賄賂の方がずっと 安いし時間も節約できる。 「グァテマラでは汚職がひどい」という一方で、自分も賄賂を使ったりしたら、 同じ穴のむじなになってしまうわけだが、それを心苦しく思いながら、仕事を しているなどで状況がきびしいから使っている人、あまり状況はきびしくない が「ちょっとくらいいいや」と思って使っている人、そして全然心苦しくも思 わないで平気に使っている人、など外人にもいろいろな人がいる。 さて私達はどうするか。小さな子供がいるとはいえ、賄賂を使わざる得ないと いうようなきびしい状況にあるわけでないことは明らか。「ちょっとくらいい いや」という立場を取るとやはり罪悪感がつきまとう。でも今回はメキシコに 3日間行ってこようという気分でもない。というわけで、ちょっと遠いがグァ テマラシティに行って更新することにした。 長いバス旅に耐える御褒美をQPに用意することもあり、QPの好きな子供博物館 に連れていくために日曜の朝早くXelaを出て、昼前にグァテマラシティに到着、 少し休憩してから子供博物館で遊び、一泊Q100の安ホテルに宿泊して、翌朝役 所が開く時間に手続きに行く。役所の場所が旅行ガイド本のロンリープラネッ トに乗っている情報を信じて行ったところが間違っていて、別の場所まで15分 ばかり歩かねばならず、手続きの最初から少しつまずいてしまった。役所では、 「子供の出生証明がいる」とか言われて「そんなもん、持ってない」と若干の トラブル、でも代わりに「QPは私の子供に間違いありません」と一筆書いて署 名することでよしとしてくれた。日本語か英語ならなんの問題でもなかったの だが、スペイン語でのやりとりなので若干苦労した。後は、パスポートやクレ ジットカードのコピーを何度も取りにいかされた程度で、申請は完了した。一 人Q115とグァテマラ感覚になりつつある金銭感覚では少し高いと思われる料金 を取られたが、これは賄賂ではなく公式な料金である。2時間程度その場で待っ ていたら更新後のパスポートを受け取ることができた。更新後のパスポートは 「午後3時渡し」か、悪くすると「翌日渡し」かもしれないと思っていたので、 これはスムーズに行った方で、終わってみればたいしたことではなかった。 気の短いAkeは、出生証明やコピーを何度も取りにいかされていた段階で、怒 りで切れて「もう国外に一回いくからいいです」と言いかねなかったと冗談半 分で語っていたが、こういう手続きにいくときは最初から「辛抱強く、我慢強 く」と心しておくことは重要である。役所の手続きなどというものは、どこの 国でも共通したものがあり、母国語以外で対応するとなると、必要な忍耐力の 度合も大きい。 帰りのバス旅は行くとき以上に長く、6時間かかった。激しい高低差のせいか QPは翌日軽い中耳炎になり、耳が痛いと泣くから医者につれていくことにになっ た。医者につれていくころにはケロッとしていたので、たいしたことはなかっ たようで、その後痛みは再発しなかった。軽い症状でよかったが、診察と薬に Q100 余分な出費が増えてしまった。 一人Q115となると、私達の場合Q345となり、一泊Q100の安ホテルなら3日間滞 在できる。もちろん3日間なにもしないわけでないから他の出費がいろいろと かさむが、3泊4日メキシコ旅行に行ってもそんなに費用は大きく変わらないで あろう。いずれにしても、2回連続グァテマラシティーで更新することはでき ないので、3ヶ月後は必ず国外に一度出ることになる。 QP医者に行く多少お腹をこわして、少し吐いたり、下痢をしたりというようなことは、私達 親子三人みんなが何度か経験して、ただお腹をいたわりながら回復を待つとい うことですませていた。 7月になって、QPは数回に渡ってお腹の中のものを全部吐いてしまう症状を二 日間隔で2回続けて持ったため、医者につれていくことになった。PLQの先生 の中に子を持つ親の人はたくさんいて、みんなQPのことをよく知っているの で、いろいろ心配してくれて、近所の医者も紹介してくれた。おかげで、グァ テマラで初めてかかる医者だったが、それほどとまどうこともなく診察を受け ることができた。どうも、お腹の中にアメーバ菌がいて悪さをしているらしい ということで、それ対策の薬をもらった。薬のおかげか、その後は症状を繰り 返さず、どうやら無事にアメーバ菌は退治できたようだった。 その後、耳が痛くなった時にも、同じお医者さんのお世話になったが、一度経 験していたので、その時は予約を入れて診察を受けに行くことに何のとまどい もなかった。やはり、こういうものは慣れで、一度経験して要領をつかんでお くことが重要である。小さな子供と一緒に一年以上滞在するとなると、医者に 行くことが何度か必要になるのは避けられないと思っていたが、実際、滞在3ヶ 月で必要になってしまった。 危うく財布をすられる人混みの多いところではスリに注意ということは十分聞かされてはいたが、少 し甘くみて油断していたところがあった。私のズボンのポケットはファスナー で閉じられるようになっていて、そのうえにされにマジックテープでファスナー 部分がカバーされるようになっている。その部分をこじ開けられているのに、 何も気がつかないことはなかろうと思って、けっこうそのポケットに財布を入 れて行動していた。 Xelaで一番大きなマーケットに買い物にいって、野菜や果物が入ったバッグを 持って移動していた時、狭い通りにバスが来て、少し人がぎゅうぎゅうの状態 になった。私の前に道をブロックするようにしてぜんぜん動かない女性が二人 いて、そのせいでうしろから来る人が私のうしろにつまってきた。私は前の女 性がなぜ前進しないのか理由を測りかねて、どうやって前へ進もうかと悪戦苦 闘していた。その時、後ろで一人のおばさんが私の肩をたたいて、「財布、財 布」というので、ふとポケットの方に目をやると、ポケットのファスナーが半 分開いて誰かの手が私の財布を引っ張りだそうとしていた。私はあわてて財布 を取り返し、その時の反動で少し後ろにころんでしまった。 とにかく財布は無事だったのでほっとして回りを見渡したところ、私に危険を 教えてくれたおばさんに「商売の邪魔をしやがって」とスリの女がなぐりかかっ ている。私は、いそいでそのおばさんを防衛しようとしたら、こんどはその女 スリグループの仲間と見られるごろつきの様な男が出てきて私に罵声をあびせ、 襲いかかってきかねない雰囲気だった。取り返した財布を手に握りしめていて、 これ以上騒ぎに巻き込まれるとさらに被害にあいかねない状況だったし、こう いう時に警察を呼べるという様な国ではないし、私は少し後ろに引いて、その スリグループが行き過ぎるのを見送るしかなかった。 どうやら私の前で道をブロックした女二人、ポケットから財布をすろうとした 女、そしてごろつき風の男、この連中はみんなスリの一団だったようだ。 私の財布は無事でよかったものの、私に危険を教えてくれておばさんがなぐり かかられたり、私はそれを見て多少おばさんを防衛しようとしたがそれ以上の ことは何もできなかったり、とこの辺のところが財布をすられかかったこと以 上に大変後味の悪い体験だった。 「私に危険を教えてくれておばさんに何かお礼をしておけばよかった」と後に なってから少し後悔。人に危険を教えてあげたのに、なぐりかかられる羽目に なってしまうだけでは、こんな親切なおばさんはもういなくなってしまう。 「おばさん、今度あったらお礼します」と言っても、たぶんもう会うことはな いだろうなぁ。 スリに関しては、ファスナーとカバーがある程度では決して安心してはいけな いということを習わされたのも事実。これから財布は決してズボンのポケット の様なところには入れないようにしょう。しかし、3人組、4人組で、こちらの 注意がそれる状況を作られた場合でも安全な場所にしまうというのは難しい。 マーケットの様なところに行くときは手に握りしめる現金以外貴重品を持たな いというようにした方がよさそうだ。 夜中に洪水8月22日の午前3時ごろ、何かシューという音がするので目が覚めた。何か炒め 物でもしているような音だ。しかし、夜中にそんな音がするわけがない。ひょっ として、プロパンがガスもれしているとしたら・・・、こんな音をたてて漏れ ているようなら、次に来るのは爆発だ。しかしいくらグァテマラのプロパンの タンクがボロいと言っても、そんな勢いでガスもれを起こすようなことはない。 次の瞬間に、「これは水だ」と思って、飛び起きてトイレを見に行った。案の 定、トイレの給水タンクのパイプが外れてものすごい勢いで水が吹き出してい る。吹き出す水はトイレを水浸しにして、さらに他の部屋にまで浸水が広がり つつあった。とにかく水を止めないことには、家中が浸水してしまう。しかし、 どこに上水道の元栓があるのかわからない。「こんな時間に・・・」とは思い つつも、しょうがないから隣に住む管理人の家をノックする。しばらくして管 理人の息子のアンドレが起きてきて、すでに浸水が広がっている我が家を一目 見て、さすがにこれは緊急事態と理解してあわてて元栓を止めに行って、その 後浸水した我が家の水をかきだすのを手伝ってくれた。 結局、浸水したのはトイレと、QPの寝ている部屋、それにキッチンの一部だっ た。QPは私とアンドレが排水作業をしている間、スヤスヤとまったく目をさま す気配もなく幸せそうに寝ていた。 1時間ばかりの作業でなんとか排水をすませて、再び寝ることができる状態に なったが、この日は水曜日で6時前にゴミを出さないといけないので、その後 あまり寝ることはできなかった。QPの本の一部が濡れてしまった事以外たいし た被害はなかったとは言うものの、夜中に起きたこの事態にはまいった。 グァテマラでは水道の栓の様な部品は、完全に壊れて使えなくなるまで使うの があたりまえなのか、多少の水漏れをそのままにして使っている所はよく見る。 グロリアの家のトイレも完全に止まらず常に少し流れていたようだった。物を 大事に最後まで使うのはいいことだろうが、これでは水の無駄使いの害の方が 大きいのではないだろうか。そして、最悪の時は私達の様な事態に見舞われる。 夜中に起きるというのは、夜中にみんな水を使わなくなって水圧が上がるから、 ありがちな事らしい。 (2007年08月30日) |
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